2021-06-16

今後の日経平均予想(6/16)


【本日の相場概況】

   ※RSIは高精度で天底を示唆

  日経平均  29291.01 -150.29
  TOPIX    1975.86 +0.38
  出来高    10.2億株 
  売買代金  2.42兆円 

  
・RSI (9) 日経平均 60.56
           TOPIX    74.94  
・RSI(14) 日経平均 66.25
          TOPIX    60.86

騰落レシオ   112.49

※明日、東証一部の騰落銘柄数が同数であれば騰落レシオは119%に上昇する。




【日米市場の現況と今後の予想


 ダウ平均


昨夜のダウ平均は-94ドル安・34,299ドルとポリンジャーバンド基準線・34,342ドルを割る動きとなった。

昨夜時点での基準線割れは僅か40ドル程度であるが、昨日の記事にて「目先、再度の基準線割れとなった場合には失望感が広がる」と記したとおり、今夜以降の市場で基準線を取り戻すことができなかった場合には、34,000ドル割れに向かうことが想定される。


なお、直近のダウ平均は8営業日連続で高値切り下げ・安値切り下げの陰線を並べているため、下方向へのトレンド継続となりやすい。

加えて、基準線がやや下向きに転化していること、MACDがゼロラインより下での推移を始めていることから、目先反発となっても上値は+1σ程度と推測され、弱い展開が継続すると予想している。

ただ、足元ではダウ平均のRSI(9)が29.23%と30%割れとなっていることから、目先的には、いったんの反発となってもおかしくない。


なお、ダウ平均の日足チャートでは、5日線が25日線を下抜くミニデットクロスの兆しが生じていることから、25日線割れとなれば投資家の弱気マインドを引き出しそうである。




また、S&P500がダウ平均とは対照的に堅調な値動きとなっており、両指数間での高値日のズレが生じる可能性が高まっており、これも懸念材料になり得ると見ている。

(おそらくS&P500は週末のMSQ通過後は下押しになると見ており、ダウ平均はS&P500の影響を受けて下押しが加速する可能性がある)


なお、S&P500についても直近は堅調な動きとなっているが、
値幅が出ていない膠着に近い形状のため、25日線の上向き角度は緩く、MACDもシグナル線との絡み合いとなっているなど、下押しとなった場合、値幅が出やすい需給環境となっている。

今夜はFOMC終了後のパウエル議長会見やドットチャートの公表があるが、海外のヘッジファンド等は諜報・分析活動により既に内容を承知しており、事前に組み立てたシナリオどおりに展開していくのだろう。

(イベントドリブンで踊らされるのは常に個人投資家であり、大口にとっては予定調和に過ぎない)

通例であれば、今夜から週末MSQまではダウ堅調と予想している。

注) パウエル議長会見は筆者が見ているサイトでは27:30と書かれており、米国市場引け後となるため、予定稿で動くか、東京市場が消化するのか? 東京市場が消化となれば、海外勢による意図的なミスリードもあり得る。
   



東京市場・日経平均


先物・オプション手口集計・考察

  データの集計方法の詳細 → こちら
  先物・オプション手口集計(先行更新) → こちら 



 ゴールドマンは小口買い越しながら、引き続き売り買い両建てちなっており、本日はTOPIXの建玉を増やしている。

Cスイスは比較的大口の売り越しにより、再度リスク回避方向に動いているが、売り越し幅も小さい。

ソシエテは引き続き-2,139枚を売り越し、建玉はSQ前の4~5万枚買い越しから1万枚に縮小している。

野村は-2,044枚の売り越しとなっている。


ABNアムロは、先物買い越し、オプションはショートプット・遠めのコール買いとやや上値目線となっている。




日経平均の予想コメント 


本日の日経平均は、昨夜のダウ平均の下落を受けて-150円安・29,291円での大引けとなった。

日経平均は直近2営業日で約500円上昇しており、75日線・29,105円を上回っていることから、ここでの下落は自律調整の範囲であり、想定内との見方もできる。

事実、チャート的には昨日、5日線が75日線を上抜き、25日線も上向きに変化しており、このまま日経平均が値を保つことができれば75日線を25日線を上抜くゴールデンクロスの可能性が高まっている。

ただ、足元で75日線は下向きとなっており、上向きへの転換は来週火曜以降となることに加え、そもそも直近2営業日での上値目処29,500円への急伸が先物買いによる辻褄合わせの上昇であった可能性が高く、依然として上値追いは難しいと見ているが、超目先については反落よりも反発の可能性が高いと見ている。(詳細後述)

なお、本日の終値29,291円が重要な示唆を与えている。

日経平均の直近節目は、反発起点となった5/13安値・27,385円、MCSIリバランスにより売買代金が5兆円を超え、翌日の600円高を引き出した5/27の安値・28,360円そして本日の終値は29,291円(明日または週末は29,300円台か?)と重要な節目価格が毎1,000円の値幅となっている。


先物勢は上下1,000円刻みで利益確定する傾向にあり、急落・急騰も1,000円の倍数が多い傾向にある。

したがって、足元の29,300円処は急落・急騰の始点になり得る価格帯であり、筆者の相場観からは下落始点になりやすいと見ている。

(ただ、明日または週末の日経平均については、ダウ平均に自律反発の可能性があることから、上述の29,300円台後半~29,500円近くまで上昇する可能性があると見ている。なお、来週初までダウ上昇が続いた場合には5/10高値・29,685円の可能性もあり得る?)

今夜のFOMCについては、さまざまなパターンが想定されており、どのパターンとなったところで材料出尽くしによる安堵からダウ平均は買われやすく、市場はむしろ週末MSQに重きを置いていると見ており、MSQはダウは現状より少し上、S&P500-ナスダックは高値通過になると予想している。

したがって、米国市場のメインシナリオは、MSQ明けの反動安による弱含みを想定しており(週初までズレる可能性もある)、日経平均はFOMC無事通過で安堵から買われるものの、米国MSQ明けの反動安により梯子を外される形状を想定している。

ただ、筆者予想どおり米MSQ明けに弱含みとなった場合においても、目先的には5/13安値からの上昇モメンタムの解消にはしばらくの時間がかかると見ており、一気に27,000円割れには至らず、何度かの下落とリバウンドのもみ合いを挟むと見ている。

(現時点でまだ萌芽のない下値目処を予想することは「絵に描いた餅」に過ぎないが、イメージを明確にするために敢えて記せば)、5/28に空けた窓埋め28,549円処、つまり、昨日の高値29,480円から1,000円を減じた28,480円または5/27安値・28,360円が下値目処になると見ている。


なお、この下落は急騰とセットで訪れる可能性が高いと予想している。

理由は、かねて記しているアムロ・ソシエテ・野村・GS等による巨額の先物クロスによる値幅取りがボラタイルな値動きを生むと見ている。

蛇足となるが、今回の「拡大型の保ち合い相場」の終点は8月末の米ジャクソンホールから10月に想定されている解散総選挙の結果を受けて示現されると見ており、それまでの間は中期保ち合いレンジでの値幅を伴うもみ合いとなる可能性が高いと予想している。

※20:50追記


昨日公表のあったSQ通過後の6/11申込み現在の2市場信用取引現在高は、引き続き大幅な買い長となっており、買い残高は705万円増加の3兆4千万円に迫る直近2年間の最高残高更新となった。

また、本日公表の6/14現在の裁定取引残(株数ベース)も、下表のとおり取組倍率2倍の買い長となった。


金額ベースでは2.500億円程度(推計)とそれほど多くはないものの、6/3時点の取組倍率0.6倍からの積み上がりペースが急となっており、信用の買い長とともに楽観度合が高いものとなっている。

先物・オプションの世界では、SQ通過によって買いポジが利益確定されており、需給バランスが崩れていると思われ(信用取引ではSQがないため、先物・オプションとでは相対的に買いが取り残され)、おそらく米国市場も同様に、今週末のMSQ通過によって買いポジが精算されると見られる。これが、MSQ後に相場が崩れやすい要因と思われる。  

また、本日、『緊急事態宣言、20日の解除諮問(東京・大阪など9都道府県 )』との報道がされており、週末・米国MSQ通過との時期一致はまさに計ったようなタイミングであり、来週6/21(月)は買い材料出尽くしになりやすいと見ている。

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