2021-06-17

今後の日経平均予想(6/17)


【本日の相場概況】

   ※RSIは高精度で天底を示唆

  日経平均  29018.33 -272.68
  TOPIX   1963.57 -12.29
  出来高      9.9億株 
  売買代金  2.27兆円 

  
・RSI (9) 日経平均 53.05
           TOPIX    54.73  
・RSI(14) 日経平均 46.65
          TOPIX    52.94

・騰落レシオ   115.69




【日米市場の現況と今後の予想


 ダウ平均

昨夜注目のFOMCについては、ドットチャート(FF金利見通し)は2023年末の中央値が0.6%と、0.25%ずつ2回の利上げの可能性が示され、2022年末にも1回の利上げ見通しが示された。

このタカ派的な結果を受けて米国市場は急落となったが、その後、パウエルFRB議長が会見で、"利上げはかなり先の話" 、"量的緩和の縮小については今後の会合で継続議論" と述べると、ナスダックは大きく戻し、S&P500については半値戻しまで戻して引けた。

ただ、ダウ平均は主要3指数の中で最も大きな下落率となり、一時33,917ドルと34,000ドル割れとなり、昨日記した「今夜以降の市場で基準線を取り戻すことができなかった場合には、34,000ドル割れに向かう」との予想どおりの結果となった。

なお、ダウの大引けは-265ドル安・34,033ドルと、戻りも鈍かった。


ボリンジャーバンドでは-1σ割れとなっており、短期的な調整入りが濃厚となっている。

ただ、RSI(9)は21.90%と売られ過ぎ圏の30%割れに入っており、目先的には、もう一段の下落でいったん反転のタイミングとなっていると見ている。

一方、-2σ・33,811ドルまで押した場合には、バンドウォークに入りやすいい点は注意が必要と思われる。

米国市場は、明晩にMSQを迎えるわけだが、一昨日に触れたように、リスク回避の面から、大口投資家がダウ平均売り-ナスダック・S&P500買いのポジションを取っている可能性があり、この予想が的中するようであれば、ダウ平均の今後の戻りは引き続き鈍いことが想定される。

なお、ダウ平均の日足チャートでは昨夜の下落により、25日線を5日線が下抜くミニデッドクロス及び直近の膠着レンジ下放れの兆しがあることから、下落への警戒が必要と見ている。


下値目処としては、目先、-2σを割れた場合には、上向きの75日線・33,629ドルが有力なサポートになると思われるが、テクニカルリバウンドの局面では、今後、下降してくるであろう25日線に頭を抑えらる可能性があると見ている。

一方、上述したように、ダウ平均のRSI(9)は21.90%と売られ過ぎ圏の30%割れに入っており、目先的には、もう一段の下落でいったん反転のタイミングとなっていると見ていることから、MSQ明けに反対売買の買いが入る可能性が生じていることに留意したい。

なお、S&P500については昨夜は25日線がサポートとなって長めの下ヒゲとなったが、これまでも記しているとおり、直近のローソク足は上昇基調ながら実態は短いコマ足での膠着となっていることから、25日線を割れた場合、ダウ平均同様に勢いのある下落となりやすい。



ただ、S&500・ナスダックについては、明晩のMSQに向けては、少なくとも5日線までの昨夜の下落を取り戻す可能性があると見ており、むしろMSQ通過後の再下落開始に注意を要すると予想している。







東京市場・日経平均


先物・オプション手口集計・考察

  データの集計方法の詳細 → こちら
  先物・オプション手口集計(先行更新) → こちら 


 ゴールドマンは小幅売り越し、建玉は両建てながら、225先物を小幅売り越し。

Cスイスは比較的大きめの売り越しにより、売り建玉4.000枚に拡大。

かつて買い筆頭だったソシエテは、本日も利益確定売りとなり、建玉1万枚割れとなっており、今後、売り建てに転換するのか、様子見となるのかが注目される。

野村は902枚の買戻し。

ABNアムロは、先物小幅売り越し、オプションについても足元の価格帯のコールをショートプットしてやり、全体的には下方向か?





日経平均の予想コメント 


本格下落開始は週明け(米国はMSQ通過後)と見ていたが、本日の日経平均は昨晩のダウ平均安を受けて、-272円安の大幅安となった。

ただ、二段下げとなってもおかしくない中、28,900円安値では底堅く推移し、終値も29,000円台で引けたことから、このまま下げる雰囲気も乏しく感じる。

日足チャートでは、GUで上抜けた75日線を再度GDで下抜けており、直近高値を結ぶトレンドラインが上値抵抗線となっている。


足元は、上向きの25日線と横ばいの75日線に挟まれた空間の中でのもみ合いながら、次の展開を模索する動きとなりそうな気配を感じる。

ただ、目先的にはダウ平均の売られ過ぎに対する修正により、戻りを試す展開の可能性が高いが、明晩のMSQ通過後も戻りの力が持続するかどうかは疑念があり、現時点では、引き続きMSQ後の調整入りを予想している。

なお、目先動向の判断に適している時間足では、足元、120分足チャートが機能している。


目先は、120分足・200MAにサポートされた下げ止まりからの反転の勢いにより上昇しやすいものの、上方には75MAや下向きとなった25MAが上値抑制要因として控えており、これらを乗り越えていくか、または頭を抑えられて200MAを割り込んでいくのかが明日から来週初めにかけての注目点となる。

なお、本日の先物手口においても、アムロ・ソシエテが巨額の先物クロスを入れている。


足元の低商いや材料難から、これらクロス弾による売り崩しが起きやすい需給であることに変わりはなく引き続き、悲観を誘う下振れからの急反転といった本格調整入りの兆しを警戒している。

なお、日柄上の焦点は明晩のMSQ通過後の米国市場動向となり、実質的には来週月曜以降の米国市場の動きを注視しており、日経平均で代替えするのなら、本日の先物が開けた29,200円~29,320円の窓を埋めてくるかどうかが、今後の方向感を見定める焦点と見ている。

※21:10追記
今回のFOMCでのトピックスは、これまで利上げは2023年まで行わないと伝えられてきたFRBがドットチャートで今年12月の利上げを示唆してきたことだ。

ただ、定例の会見にてパウエル議長が「利上げはかなり先の話」と焦点をずらしてきたことで、メディアは年内利上げの可能性だけを切り抜きにくくなっている。

今後、パウエル議長は時間をかけてゆっくり市場に利上げを沁み込ませるものと思われ、12月に利上げが行われている可能性は高まっていると見ている。

足元の市場は高値圏でのもみ合いに入っており、コロナ後の雇用統計の堅調さから徐々に利上げを織り込み、利上げスタート時には「利上げは経済が強い証拠」と認識して急騰を開始するシナリオを予想している。       

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