2021-10-04

目先及び10月の日経平均予想(10/4)


(お知らせ)

日々更新については当面続ける意向でしたが、やはり休息が必要と判断し、本日以降につきましては随時更新(不定期更新)とさせていただきす。



【本日の相場概況】

   ※RSIは高精度で天底を示唆

  日経平均  28444.89 -326.18
  TOPIX     1973.92 -12.39
  出来高    13.2億株 
  売買代金 3.25兆円 

  
・RSI (9) 日経平均 18.61
           TOPIX    21.39  
・RSI(14) 日経平均 26.30
          TOPIX    29.46

・騰落レシオ   111.50




【日米市場の現況と今後の予想


 ダウ平均


週末の金曜・夕刻の記事にて「週末要因から、今夜については買い戻しの動きが優勢になる」と記したとおり、金曜のダウ平均は+482ドル高・34,326ドルと、前日の大幅下落の80%を取り戻す筆者予想どおりの上昇となった。


また、目先予想については、同日の記事にて「買い戻しの値幅が大きく出れば、目先、戻りを試す展開になると予想」と記したように、大きな値幅が出たことにより、目先は戻りを試す展開を予想している。

なお、戻りの目処としては-1σ-と2σの中間地点と見ているが、-1σを超えることができば転換の可能性が生じるが、-1σを超えることができなかった場合には-2σのバンドウォークに向かって調整色を強める可能性がある。



なお、ダウ平均が筆者想定どおり下押しとなった場合の下値目処については33,000ドル~33,300ドルと予想している。




東京市場・日経平均


先物・オプション手口集計・考察

  データの集計方法の詳細 → こちら

(本日は前週末時点の残高報告を受け、先週末の建玉残の一部修正を行っています) 


 
・ゴールドマン

1,311枚の買い越し(買戻し)となったが、前日の売り越しの利益確定の範囲内と見ている。


・Cスイス

-1,031枚の売り越しにより、売り建玉を-1.4万枚に拡大している。(本日の残高報告により、売り建玉が増加)

・ソシエテ
-1,819枚の売り越しながら、売り建玉は4,000枚弱と少ない。

・バークレイズ
-2,980枚の大口利益確定売りとなっている。買い建玉は8.9万枚と買い筆頭の座を守っているが、半面、リスク回避売りとなった場合の売り余力は大きい。

・野村
2,320枚の大口買い戻しとなっており、買戻し基調は継続しており、売り建玉は3.7万枚とピーク時の半数以下となっている。


上記以外の主な外資系先物参加者は次のとおり。

バークレイズに次ぐ買い筆頭のJPモルガンは-445枚の小口売り越しにとどまり、バークレイズほどリスク回避意識が低いのは建玉の差か? その他の主体については売り買い交錯となっている。なお、買い越しは売り建玉の主体に目立っている。



・ABNアムロのオプション手口

取引レンジが一気に下方に。本日は売り越し優勢となっているのは、先週までの建玉に利益が乗っているから?



※先物・オプションデータの集計方法の詳細を公開しています。 興味のある方は是非ご覧ください → こちら




日経平均の予想コメント(目先予想) 


金曜の記事にて「需給は買い優位から売り優位に転換しており、突っ込み懸念も同時に存在する」「本日の終値は50%押し・28,870円を僅かに下回っている。月曜以降に同価格を回復できない場合には本格調整の色合いが濃くなり、短期的にも一段・二段の下落を考慮する必要」との予想どおり、米国株高を受けての寄り高後となった後、急速に値を消し-326円安・28,444円の大幅安での大引けとなった。

日経平均・日足チャートでは、75日線・200日線のWサポート地点を下抜いたことから、長期投資家(200日平均)の失望売りを誘いかねない局面に移りつつある。


目先的には後述する28,000円の心理的節目及び52週線が下値の節目として意識されると見ている。

ただ、米国市場では週半ばからは今週末の米雇用統計を前にした様子見姿勢による反落が想定されるため、28,000円処で踏みとどまることができるかどうかが焦点となる、

ただ、仮に踏みとどまったとしても、直近上昇幅の61.8%押しを下回ることになるため(上図)、反発は自律反発の範囲にとどまる可能性があると予想している。



10月の日経平均予想


日経平均は今年2月の30,714円達成以降売られ、今回も9/14・30,792円高値達成後に売られるなど、日経平均3万円が大きな壁になっている。

要因としては種々考えられるが、最も大きな要因としては国内の需給要因が挙げられると見ている。

下表は筆者がまとめた月間・投資主体売買動向であるが、3万円を超えた時期に国内勢(個人)の売りが目立っている。


国内勢の部分を抽出したのが下表となるが、信託銀行(年金基金の売買比率が高いと言われている)を初め、投信・個人現金の売りが顕著であり、9月には投信と個人現金で1.6兆円近く売り越している。


おそらく、1989年の日経平均38,957円から30年が経過し、当時40才台から50才台の個人投資家の主要年齢層であった方々が70才~80才になり、買値近くに戻ってきた株式資産を「終活」を視野に現金化する動きや相続税対策に有利とされる不動産投資に資金を振り向ける「ヤレヤレ売り」が出ていると思われ、
この動きはまだしばらくは続くと見ている。

一方、個人信用は直近のレンジ相場では個人現金とは対象的に買いを積んでおり、先週火曜に公表された信用買い残高は再び3.3兆円の大台に乗っている。


加えて、GPIF(年金基金)が公表した6月末の資産残高状況では、日本株は24.49%と運用比率の目処となる25%に近く、買い余力が乏しいことから、利益確定売りを出さざるを得ない状況にあることも、直近の下落局面においてGPIFから大口売りが出ていることが納得できる。



なお、足元の日経平均・急落後(9月第4週)のGPIFの資産状況については、投資主体別売買状況を元にした筆者推計では国内株24.7%と、依然として売り余地が残っている。


これらのことから、目先、国内勢の売り圧力は高いと見ており、特に個人現金の売りは、日経平均が下落すればするほど売り急ぐことが想定され、個人信用の追い証逃れの売りによる下落スパイラルが発生しやすい可能性があることから、毎日曜に更新の「日経平均予想イメージ」については、現時点で次の通り想定している。


今回は、10月中旬以降の続落パターンをシナリオの一つとして追加した。

この10月中旬は重要な日柄になると見ており、反転上昇に向かうパターンと続落パターンのどちらも想定しうるため、現時点では両論併記とした。

(本日、岸田首相が衆院選19日公示、31日投票の意向固めたの報道があった。10月中旬が重要日柄となることは、かねてからお伝えしていたとおりであり、衆院選公示日となったことで、より重要度を増した)

なお、筆者予想としては、どちらかと言えば10月中旬の重要日柄は下放れとなる公算が高いみている。

この場合の下値目処としては、下図の週足の左側に付記した価格帯が節目価格と想定している。(このうち、一番上の値ごろについては本日達成した)



下優位と見ている理由としては。国内勢の需給以外にも、先物手口からも、買い方の利益確定売り余地が残っていることに加えて、売り方の買い戻しが進んでおり、売り方のんい戻し一巡感が出やすいと見ている。

また、週足MACDが陰転しているのは、この先の弱気を示唆していると見ている。

このほか、本邦個人現金や投信、GPIFの利益確定売り姿勢が明確になっている中では、海外勢の買いは期待しづらいばかりか、個人現金の狼狽売りや個人信用買いのロスカットを誘う「振るい落とし」の急落により、安値買いを狙う売り仕掛けも想定される。

加えて、新型コロナウィルスの感染者減少により、10月は実体経済の回復を見定めようとする動きや政府の経済対策に対する催促売りも出やすいと予想している。

これらのことから、日経平均は10月下旬~11月初めにかけて、最も下押しが進んだ場合は、27,000円を試す動きとなってもおかしくないと見ている。

なお、日柄上は10月下旬~11月初めをボトムと見ているが、10月中旬にこれらの動きが出た場合には、先週までの想定どおり10月中旬、または少し少し後ろズレした形でのボトム形成が想定される。

ただ、ダウ平均が筆者想定の下値目処については33,000ドル~33,300ドルと見ていることから、日経平均が上述の下値目処に達したとしても、ダウの下押しが甘い場合には、日経平均の下値目処は下方に広がる可能性があると予想している。


なお、ボトム形成後は、もたつきはあると思うが、日米株ともに基調としては力強い上昇局面が訪れると予想している。


※追記
冒頭にてお知らせしたとおり、本日以降、随時更新(不定期更新)とさせていただきす。日々、ご高覧・ご支援いただいた皆様に感謝申し上げます。

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